新電力はなぜ撤退に?現状と今後について
■はじめに
現状の電力価格の高騰、新電力の撤退に関してまとめた記事となります。
エーラベルでは引き続き各電力会社と連携を取りサービスの展開を進めて参りますので今後とも何卒、よろしくお願いいたします。
■新電力が続々と撤退
【1】新電力の撤退が相次いでいる理由
2016年に電力が全自由化となり今では私たちの生活に馴染んできた『新電力』ですが、現在、過渡期を迎えています。新電力のほとんどは自前で電源を持っておらず、卸電力市場から電気を仕入れる事によって電力販売を行っています。この卸電力市場の価格は株価などと似た性質を持っており、需要と供給のバランスで価格が変動しています。そして、この卸電力価格の高騰が新電力撤退の原因となっているのです。一方で事業継続に向け調整を行っている新電力事業者もあるのですが、既存顧客の電源確保で手が一杯なため新規提案はどこもストップしているのが現状です。
【2】卸電力価格高騰要因
・2020年の冬に起きた大寒波
大寒波の影響で1月には電気の仕入れ価格が過去一の高騰となり、一時250円/kWhを越えました。結果1月の月間平均価格は63.07円/kWhとなり、地域電力などでの販売価格がおよそ25円前後ですので単純に計算をしても販売価格の2.5倍以上で仕入れる事となり大赤字を被る形となったわけです。
ただ、この事態を踏まえ経済産業省では電力仕入れにかかった料金を分割で支払える措置を取るなどし、新電力はなんとか耐え忍んでいました。
・原油・LNGの高騰
そんな中、2021年10月頃から原油高の影響で卸電力価格がじわじわと値上がりを始めました。そこに追い打ちをかけるかのようにウクライナ情勢が影響しLNGは高騰。2月・3月には卸電力市場価格が跳ね上がり現状では改善の見通しが立たないため電力各社が撤退に至りました。低圧需要家向けに広く展開をしていたエルピオでんき撤退は記憶にも新しく、電力業界に大きな衝撃を与え、他の新電力も続く形で撤退に踏み切る流れとなりました。
■今後について
【1】新電力の今後の動き
結論から言うと市場連動型(調達調整費)による提案が増加するかと思われます。要は各電力会社によって仕入れ価格は実際のところ異なるため、大手地域電力(東京電力・関西電力など)で言う燃料費調整単価と同額での提案では無くなるという事です。乗り換え先が無いこの状況を考えれば、選択肢の一つとして必要かと思いますが電気料金の比較が複雑になるため、慎重な検討が必要です。また、コストメリットだけでなく今後は脱炭素に向けてCO2ゼロプランや再エネ100%の電力(RE100)などの提案を主軸とする新電力も増えて来る可能性が高いです。
【1】エーラベルの対応
上記の状況を踏まえ電力事情の変化に合わせてエーラベルでは下記の対応を行います。
・新規見積が出なかった場合に見積再開の電力社が出次第ご案内
・各社がもし市場連動型での提案に切り替えた場合、各社の提案レベルを揃えて比較検討がしやすい早見表にしてご提案
・新電力に限らず、例えば太陽光発電自家消費モデル(PPA)などのご提案
エーラベルでは電気代削減のみならず、今後の電力需要の変化に応じてエネルギーマネジメントを行って参ります
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