FIT制度は2020年末までに見直予定
■FIT(フィード・イン・タリフ)と呼ばれる再生可能エネルギーの固定価格買取制度とは?
このFIT制度というものは、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が特別に定められた高い固定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度の事を言いまして、2012年7月に再生可能エネルギーの導入拡大を目的として開始されました。
そして、このFIT制度により参入障壁が低く開発リードタイムが短い太陽光発電が投資対象として注目を浴び、日本全国で急速に普及することになりました。
ですがその一方で、買取費用の一部を「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として国民が広く負担している事実を知らない人もいるようです。
2019年11月現在では、1キロワット時(kWh)当たり2.95円もの負担が各家庭の電気料金に上乗せされています。
これは4人家族(月間電気使用量400kWhと仮定)の場合ですと、毎月1,180円もの負担が発生していることになります。
2019年度の日本全体での買取費用総額は3.6兆円、賦課金総額が2.4兆円にも上っています。
このように国民負担が膨らんできたこともあり、FIT制度の抜本的見直しに向けての議論が始まっています。
昨年策定されたエネルギー基本計画の中でも再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担抑制を両立させるためFIT制度について「2020年度末までの間に抜本的な見直しを行う」と記載されています。
そこで注目されるのが、ドイツやスペインなどで導入実績のある「FIP(フィード・イン・プレミアム)制度」です。
このFIP制度は再生可能エネルギー発電事業者が電力卸売市場で電力を販売する際に、市場価格にプレミアム分を上乗せする制度でして、プレミアム分の決定方式により「固定型」「上限・下限付きの固定型」「変動型」の3つのタイプがあります。
ですがこちらはまだ検討が始まったばかりで、日本におけるFIP制度についてはこれからどうなるかはまだわからないのですが、2020年度末までに詳細が確定する予定とのことですので、詳細がわかり次第新エーラベルWEBサイトでご報告致します。
詳しくは:日本経済新聞「経産省、再エネ固定価格買い取り制度を抜本見直しへ」
(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44175090V20C19A4000000/)