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電気料金値上げはなぜ?電力不足の原因と対策を解説

「最近、電気料金の明細を見るたびにため息が出る…」「夏や冬になると『節電してください』とニュースで言われるけど、そもそもなんで電力が足りなくなるの?」

このようなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。電気料金の値上げは家計に直接響くため、多くの方がその原因今後の見通しに関心を持っています。

この記事では、エネルギー問題の専門知識がない方にも分かりやすく、以下の点を解説します。

  • 電気料金が値上げされている根本的な理由
  • なぜ「電力不足(電力ひっ迫)」が起こるのか、その背景にある4つの原因
  • 家庭で今日から実践できる具体的な節電対策
  • 今後の電気料金や停電の可能性についての見通し

この記事を読めば、電気料金値上げの背景がすっきりと理解でき、ご家庭での具体的な対策を立てられるようになります。


電気料金値上げの主な原因は電力の需給逼迫

結論から言うと、電気料金が値上げされている最も大きな原因は**「電力の需給逼迫(じゅきゅうひっぱく)」**です。

これは、私たちが使いたい電気の量(需要)に対して、発電できる電気の量(供給)がギリギリの状態になっていることを指します。需要が供給を上回ってしまうと、大規模な停電(ブラックアウト)を引き起こす可能性があるため、非常に深刻な問題です。

そして、この電力不足の状況が、電気料金を押し上げる要因となっています。

電気の供給が不安定になると、限られた電力を確保するために、よりコストの高い方法で発電する必要が出てきます。特に、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)や石炭の価格が世界的に高騰しているため、発電コストが上昇し、それが「燃料費調整額」として私たちの電気料金に上乗せされているのです。

つまり、**「電力不足(供給力の低下)」と「燃料価格の高騰」**が、現在の電気料金値上げの主な原因と言えます。


電力不足(需給ひっ迫)が起こる4つの根本原因

では、なぜ日本の電力はこれほどまでに不足し、需給が逼迫する事態に陥っているのでしょうか。その背景には、複合的な4つの原因があります。

燃料価格の高騰による発電コストの増加

現在、日本の電力の多くは、液化天然ガス(LNG)や石炭を燃料とする火力発電に頼っています。しかし、世界的なエネルギー需要の増加や国際情勢の不安定化により、これらの燃料の価格がかつてないほど高騰しています。

燃料の仕入れ価格が上がれば、当然ながら発電にかかるコストも増加します。この増加分が電気料金に反映されるため、私たちは値上げを実感することになるのです。

火力発電所の休廃止による供給力の低下

安定して大量の電気を供給できる火力発電所ですが、設備の老朽化などを理由に、近年、休止や廃止が相次いでいます。これにより、日本の発電能力(供給力)そのものが低下しているという深刻な問題があります。

新しい発電所をすぐに建設することは難しいため、一度低下した供給力を回復させるには長い時間が必要です。これが、電力不足の根本的な原因の一つとなっています。

再生可能エネルギーの発電量が天候に左右される問題

二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーとして、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの導入が進められています。しかし、これらのエネルギー源には大きな課題があります。

それは、天候によって発電量が大きく変動することです。例えば、太陽光発電は夜間や雨の日には発電できませんし、風力発電も風が吹かなければ電気を生み出せません。そのため、再生可能エネルギーだけで電力の安定供給を維持するのは非常に難しいのが現状です。

猛暑や厳冬による電力需要の急増

電力の供給力が低下している一方で、私たちの電気の需要は増加傾向にあります。特に、夏の猛暑日にはエアコン(冷房)が、冬の厳しい寒さの日にはエアコン(暖房)や電気ストーブがフル稼働し、電力需要が急激に跳ね上がります。

供給力がギリギリの状態でこのような需要のピークを迎えると、一気に電力需給が逼迫し、大規模な停電のリスクが高まるのです。


家庭でできる電気料金高騰への具体的な節電対策

電力不足の解消は国全体の課題ですが、私たち一人ひとりが家庭で節電を心がけることも、家計の負担を減らし、社会全体の電力需給の安定に繋がります。ここでは、今日からすぐに実践できる具体的な節電対策をご紹介します。

エアコンの設定温度を夏は28度、冬は20度を目安に調整

家庭の消費電力で最も大きな割合を占めるのがエアコンです。環境省は、室温の目安として夏は28℃、冬は20℃を推奨しています。設定温度を1℃変えるだけでも、大きな節電効果が期待できます。

また、2週間に1度フィルターを掃除する、扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させる、といった工夫も効果的です。(参考:環境省 COOL CHOICE https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/office/action01.html)

冷蔵庫の設定を「強」から「中」に変更し扉の開閉を減らす

冷蔵庫は24時間365日稼働しているため、日々の小さな工夫が節電に繋がります。季節に合わせて設定を「強」から「中」や「弱」に切り替えましょう。また、扉を開けている時間が長いほど庫内の温度が上がってしまうため、開閉は最小限の回数と時間を心がけることが大切です。

待機電力の大きいテレビやパソコンの主電源をオフにする

家電製品は、電源がオフの状態でもコンセントに繋がっているだけで**「待機電力」**を消費しています。特にテレビやパソコン、レコーダーなどは待機電力が大きいとされています。長時間使わないときは、リモコンで電源を切るだけでなく、本体の主電源をオフにしたり、節電タップを活用してこまめに電源を切る習慣をつけましょう。

電力会社の料金プランや新電力への切り替えを検討

根本的な対策として、現在契約している電力会社の料金プランを見直すことも有効です。ご家庭のライフスタイル(電気を多く使う時間帯など)に合ったプランに変更することで、電気料金を抑えられる可能性があります。

また、2016年の電力小売全面自由化により、私たちは様々な**「新電力」**の会社から電気を買えるようになりました。各社が特色ある料金プランを提供しているため、一度比較検討してみることをおすすめします。


今後の電気料金と電力供給の見通し

電気料金の値上げや電力不足がいつまで続くのか、不安に感じている方も多いでしょう。ここでは、今後の見通しについて解説します。

2025年以降の電気料金の動向

電気料金の動向は、主に火力発電の燃料となるLNGや石炭の国際価格、そして為替レートに大きく左右されます。世界情勢が不安定な状況が続けば、燃料価格は高止まりする可能性があり、電気料金がすぐに下がることは期待しにくい状況です。

政府は、国民の負担を軽減するために「電気・ガス価格激変緩和対策事業」などの補助金政策を実施してきましたが、これらの政策がいつまで続くかは不透明です。長期的には、再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電の活用など、エネルギー供給構造の変革が進まない限り、電気料金は高止まり、あるいは再上昇する可能性も考えられます。

大規模停電(ブラックアウト)の可能性

電力の予備率(供給力が需要をどれだけ上回っているかを示す指標)が極端に低下すると、**大規模停電(ブラックアウト)**のリスクが高まります。

政府や電力会社は、発電所の安定稼働や事業者間の電力融通など、停電を回避するためのあらゆる対策を講じています。そのため、すぐに大規模な停電が起こる可能性は低いと考えられますが、猛暑や厳冬による想定外の需要急増があった場合には、**「計画停電」**が実施される可能性はゼロではありません。

日頃から節電を意識するとともに、万が一の停電に備えて、懐中電灯やモバイルバッテリーなどを準備しておくと安心です。


電気料金値上げと電力不足に関するQ&A

最後に、電気料金の値上げや電力不足に関してよく寄せられる質問にお答えします。

「電力需給ひっ迫警報・注意報」の意味

夏や冬になると、ニュースで「電力需給ひっ迫警報」や「注意報」という言葉を耳にします。これは、経済産業省(資源エネルギー庁)が、電力の安定供給が難しくなる可能性があると予測した場合に発令するものです。

  • 電力需給ひっ迫注意報: 翌日の電力予備率が5%を下回ると予想される場合に発令。
  • 電力需給ひっ迫警報: 翌日の電力予備率が3%を下回ると予想される場合に発令。

これらの警報や注意報が発令された際には、無理のない範囲での節電への協力が求められます。(参考:資源エネルギー庁 「電力需給ひっ迫警報・注意報」とは https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/supply/hikkaku/hikkaku.html)

節電が特に効果的な時間帯

節電は一日を通して重要ですが、特に効果的なのは電力需要が高まる時間帯です。一般的に、オフィスや工場が稼働し、家庭での活動も活発になる**平日の日中(特に13時~17時頃)**や、**夕方(18時~20時頃)**は電力需要のピークを迎えます。

この時間帯にエアコンの設定温度を調整したり、不要な照明を消したりするなど、少しの工夫をすることが電力需給の安定に大きく貢献します。


まとめ

今回は、電気料金の値上げと、その背景にある電力不足(電力需給ひっ迫)の問題について解説しました。

  • 電気料金値上げの主な原因は、電力の需要と供給のバランスが崩れていること。
  • 電力不足は、燃料価格の高騰、火力発電所の減少、再エネの不安定さ、電力需要の増加という4つの要因が複雑に絡み合って発生している。
  • 家庭でできる対策として、エアコンや冷蔵庫の適切な使用、待機電力の削減、料金プランの見直しなどが有効。
  • 今後も電気料金は不安定な状況が続く可能性があり、日頃からの節電意識が重要。

電気料金の値上げは、私たちの生活に直接影響する深刻な問題です。この記事でご紹介した原因を理解し、ご家庭に合った節電対策を実践することで、家計の負担を少しでも軽くしていきましょう。

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